ミステリー分析。ちゃんと考えられる大人になる訓練とは?

関西ではTOCfEの勉強会が月に1回行われている。

先日はゴールドラットコンサルティングの澤井さんをお招きして、
「ミステリー分析」と呼ばれるエクササイズを実施した。

TOCではおなじみ(?)のTrT(Transition Tree:トランジション・ツリー:移行ツリー)を応用した内容で、

  1. 想定外の事態が起こった、また起こりそうな場合に、
  2. 行動やとりまく事実との因果関係を確認して、
  3. そもそも見落としていたことは何か?を見つけだし、
  4. 想定していた結果につなげるためにどうすればよいか?

・・・を考える一連の流れを実践した。

この4つの手順にはそれぞれコツがあり、次の質問によって進行できる。

  • 当初の思惑は何でしたか?
  • 今までやっていたアクションを書き出してみてください。
  • それらの事象やアクションをつなげてみてください。
  • それで全部ですか?
  • 想定外の結果を引き起こしている事象は何ですか?
  • 何を見過ごしていましたか?
  • その事象が本当に想定外の結果を引き起こしてますか?
  • その事象を解消するうまい方法はありませんでしたか?

これら一連の手順に従って、グループで物事の因果関係を考察するのである。

TOCは正しい悪いといった評価ではなく、事象の因果関係で議論する。

または因果関係議論するといってもよいかもしれない。

そして、印象ではなく具体的な事象や事実に基づいて議論する。

 

今回は、30分ほどの時間をかけて4~5名のグループ3チームで、大阪市・大阪府のダブル選挙についてミステリー分析で考察してみた。

平松氏をバックアップしていた陣営の立場になって、結果(落選)についてを題材とし、当初の思惑の設定から、ツリー(事象の因果関係をつなげるたもの)の構築、解消方法の提案までをそれぞれのチームが取組み、最後は発表して共有しあうのである。

私の個人の感想としては、因果関係の中に組み入れられる事象として、参加者共通の印象は組み込まれやすい。そして、できれば事象のひとつひとつに対して、事実確認を行ってみる作業は重要である、ということだ。

 

「The Science of Management」エリヤフ・ゴールドラット氏の肉声で

3つの要素に根ざされたマネジメントアテンションの阻害メカニズム・・・TOCクラブin京都

 

前回からの続きです。

では、貴重なマネジメントアテンションを無駄にし、
ゆがめてしまう根本的なメカニズムとは何か?

何を変えればいいのだろうか?むしろ何を変えなければいけないのか?
変えなければいけない「ゆがみの原因」について、
その根本は人に根ざした3つのふるまいであるとゴールドラット博士は説いている。

その3つとは、
1:複雑さへの恐れ。
2:未知への恐れ。
3:綱引きのような対立への恐れ。
である。

なぜ、それら3つのふるまいが貴重なマネジメントアテンションを無駄にし、
歪めるのか順に説明する。

システムの複雑さへの恐れは、システムをサブシステムに切り分け、部分最適へと導く。
例えば、営業部、開発部、マーケティング部、管理部、さらには課やチーム、職務別などだ。
それぞれの範囲でしか最適化が視野にない。
その結果、システムを部分最適にすることは「部分最適が全体最適と対立する」ことを招く。

企業の成果には全体最適でのマネジメントが有効である
(ライン工場の全てで効率を求めることが全体の成果に繋がらない。
プロジェクトのクリティカルチェーン以外のタスクが頑張っても納期は納期は短くならない)。

そのため部分最適と全体最適の対立は無駄であり、
また歪みを生む。それはマネジメントアテンションの阻害になる。

そして「システムを部分最適にしてしまう」と、サブセクション間の対立をも生む
(例:営業が悪い!製品開発が悪い!うちにもっと予算をくれ!うちにもっと人をくれ!)。

サブセクション間の対立は、マネジメントアテンションに無駄と歪みを与える。

次に「2:未知へのおそれ」だが、
まずこれは「不確かなものを確かなものにしよう」とすることを誘発する。
それはひたすら解の無い解決策を追求することに繋がる。

つまり「ノイズに対する無駄なリアクション」となる。
ノイズとは決して計ることのできない不確実性や誤差である。
それを求めることは貴重なマネジメントアテンションの阻害になる。

そして人は往々にして「解がないとルールに固執する」ことになる。
(例:あのマニュアルが必要だ作ろう。それはルールにないので対応できません等々)

これらもマネジメントアテンションを阻害する。

最後に「3:対立(tug of war)への恐れ」だが、
これに長年さらされた我々は既に「対立は避けられないものとして受け入れる」ことに慣れている。
疑問にも思わない。

そのふるまいが「対立の間で揺れ動く」ことにつながり、
結果としてマネジメントアテンションを損なっている。
綱引きに参加したり、巻き込まれたり、そして一度受け入れた妥協はまた別の妥協を生み、
本質とは異なった方向へ進んでしまう。

さらに「対立は避けられないものとして受け入れる」ことは、
「コアの対立ではなく、現象に対処する」ことに繋がる。
これももちろんマネジメントアテンションを無駄にし、ゆがめる事になるのである。

これらが成功する企業のための「成長」と「安定」に注力するマネジメントアテンションを無駄にし、
歪めてしまう根本的なメカニズムである。「何を変えるか?」とはこれらを変えることである。

 

長期的投資の行動と短期的な利益確定の行動が対立するシーンの考察・・・TOCクラブin京都

 

企業において成長(長期の反映を確保)と
安定(現状の円滑なパフォーマンスを確保)のためのアクションはよく対立する。

例えば、コストの削減や投資の削減は
将来への投資や保護キャパシティーを認める事と対立する。
だがしかし、成長と安定とは対立の関係性しか持たないのであろうか?

企業が成長を止めたら、変化する現実や競争に対応できず結果として負けてしまう。
つまり、成長は辞めることは、安定すらままならないことである。

他方、企業の成長のためにありもしない約束をし続ける、
急成長に耐えうるサービスインフラを整えない等は破綻する。
つまり、安定は成長のための条件と言える。

ではなぜ、我々のシステムはこのように挙動するのか?
つまり、お互いはお互いのために必要なのに、一方の行動が他方の行動と対立するのか?

成長の行動と安定の行動は多くの場合ぶつかり合うが、
お互が必要条件であるため、常にそれら双方を満たす必要がある。

この頭の痛い問に対して重要な考え方が、
企業が成功するためのマネジメントであり、成長と安定を満たすアクションの方法、
つまりマネジメントアテンションである。

組織内におけるトップやマネージャーの限られた時間をいかに有効に活用するか?
組織のマネジメントアテンションを有効に活用するために、マネジメントアテンションを無駄にし、
ゆがめてしまう根本的なメカニズムを取り除く、あるいは変化させなければならない。

では、貴重なマネジメントアテンションを無駄にし、
ゆがめてしまう根本的なメカニズムとは何か?

後半へ続く

自己紹介

著書 『ビジネスマンのためのネットセキュリティハンドブック』 総合法令出版

興味があるもの

ローマ (の歴史)

TOC (制約理論)

東京ディズニーリゾート

ハーマンモデル

ナチュラル・ブリリアンス

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フェルミ推定

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ナラティブアプローチ

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